創業時の資金調達方法について①

創業時における資金調達の方法について説明します。

まずは
・自己資金
これは明確です。ご自身で創業前に計画的に、コツコツと資金を貯めていく方法です。
創業時に金融機関及び政府系金融機関等から融資を受けたい場合は、この自己資金が非常に重要になってきます。
自己資金が多ければ多いほど、金融機関からの評価は高くなり、融資が通る可能性が高くなります。
また、評価の内容として、貯め方も見られます。コツコツと計画的に創業に向けて準備してきたかどうかという観点が非常に重要である為、銀行の通帳でその履歴が分かる事が望ましいです。

・融資
これも明確ですが、金融機関からお金を借りる方法です。
金融機関には2通りあり、政府系金融機関と民間金融機関です。
政府系金融機関は日本政策金融公庫(JFC) です。
民間の金融機関はいわゆる都市銀行、地方銀行です。
融資は返済を伴う為、要件が厳しいものになりますが、比較的日本政策金融公庫の創業融資は利用しやすいです。

続きは次のブログにて、、、

新型コロナウイルス感染症特別貸付について

今回は新型コロナウイルス感染症特別貸付について説明します。

新型コロナ感染症特別貸付とは
要するに
新型コロナウイルス感染症の影響で、事業の収支が減少し、影響を受けた事業者等を救済する為の融資ですが
その適用条件は簡単ではありません。

本融資を受ける事は出来る適用条件は
起業済事業者と起業して間もない事業者で適用条件が多少違ってきます。

まず、起業済事業者の場合、
最近1ヵ月間等の売上高または過去6ヵ月(最近1ヵ月を含む。)の平均売上高
前3年のいずれかの年の同期に比し5%以上減少していることまたはこれと同様の状況にあること
中長期的にみて、業況が回復し、かつ、発展することが見込まれること。

とあります。

また、起業して間もない事業者の場合(業歴が3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等)は、
最近1ヵ月間等の売上高または過去6ヵ月(最近1ヵ月を含む。)の平均売上高(業歴6ヵ月未満の場合は、開業から最近1ヵ月までの平均売上高)が、次のいずれか(※)と比較して5%以上減少していることをいいます。
① 過去3ヵ月(最近1ヵ月を含む。)の平均売上高
② 令和元年12月の売上高
③ 令和元年10月~12月の平均売上高

起業済の場合は、一律で計算し、その証明となる売上帳簿等があればよいですが
起業して間もない場合は、売上が立っていて、且つ、上記のような条件が必要となり、適用となるか否かは最終的には
担当官との面談にて判断される事になる為、事前に十分に周到な準備と公庫への確認を行う事をおすすめします。

融資支援の報酬と補助金支援の報酬の違い

今回は融資と補助金の支援業務における報酬金額の上限についての話です。

各種支援業者による金融機関への融資申請支援業務と、行政機関への補助金申請業務がありますが
支援業者が受け取る事が出来る報酬額には違いがあります。
どのような違いかというと

ズバリ融資支援には報酬上限額が法律で規定されています。
補助金にはそういった法律の規定はありません。

どのような法律かというと、
昭和二十九年法律第百九十五号
「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」
(金銭貸借等の媒介手数料の制限)
第四条 金銭の貸借の媒介を行う者は、その媒介に係る貸借の金額の百分の五に相当する金額(当該貸借の期間が一年未満であるものについては、当該貸借の金額に、その期間の日数に応じ、年五パーセントの割合を乗じて計算した金額)を超える手数料の契約をし、又はこれを超える手数料を受領してはならない。
2 金銭の貸借の保証の媒介を行う者は、その媒介に係る保証の保証料(保証の対価として主たる債務者が保証人に支払う金銭をいう。以下同じ。)の金額の百分の五に相当する金額(当該保証の期間が一年未満であるものについては、当該保証料の金額に、その期間の日数に応じ、年五パーセントの割合を乗じて計算した金額)を超える手数料の契約をし、又はこれを超える手数料を受領してはならない。
3 金銭の貸借又はその保証の媒介を行う者がその媒介に関し受ける金銭は、礼金、調査料その他いかなる名義をもつてするかを問わず、手数料とみなして前二項の規定を適用する。

というものです。

つまり、支援業者が受け取れる報酬額は、融資額の5パーセントを超えてはならないという事です。
これは、着手金も含まれる為、仮に着手金5万円申し受けた上で、成功報酬として融資金額の5パーセントを追加で申し受ける事は法律違反、違法行為という事になります。
もちろん、これ以上の報酬設定も当然違法行為です。

法外な報酬を提示しているような支援業者も中には存在するのも確かです。
そういった支援業者は速やかに是正する必要がありますし、依頼される方は、くれぐれもこういった法律の存在を意識頂き、適切な判断で依頼するように心掛けるべきかと思いますね。

ソーシャルビジネス支援資金の概要

ソーシャルビジネス支援資金について概要説明です。

ソーシャルビジネスとは一般的には
社会問題解決を目的とした事業で、その領域は貧困や差別、環境問題など、多岐にわたります。
最大の特徴は、寄付金などの外部資金に頼らず自社で事業収益を上げることで継続的な社会支援を可能にしている点です。
なのに融資が政府から出る事に若干の矛盾を感じますが、
ソーシャルビジネスでは、一般の企業のように営利を前面に出した事業であることは少なく、資金調達が困難であるという背景がある為、政府によって支援する意義があると言えますね。

本支援金の対象者は、

・NPO法人
・NPO法人以外であって、次の(1)または(2)に該当する方
(1)保育サービス事業、介護サービス事業等(注1)を営む方
(2)社会的課題の解決を目的とする事業(注2)を営む方


(出典:日本政策金融公庫ホームページ、ソーシャルビジネス支援、What’sソーシャルビジネス

融資限度額は担保ありで7,200万円(うち運転資金4,800万円)
担保なしでも融資を受けられる場合があります。

返済期間も他の企業活力強化貸付と同じく
設備資金 20年以内<うち据置期間2年以内>
運転資金 7年以内<うち据置期間2年以内>
です。
利率は保育サービス事業、介護サービス事業等を営む方の場合他より有利な利率となっています。

この融資を受けられるのは
「NPO法人」または「社会的課題の解決を目的とする事業を営む方」のみですが
逆に該当する場合は、日本政策金融公庫が積極的に支援をしていることから、比較的融資を受けられやすい
と言えるかも知れません。

地域活性化・雇用促進資金の概要

次に
地域活性化・雇用促進資金の融資概要について。

こちらの融資制度は、地域経済牽引事業などによる地域経済の活性化雇用の促進を行うみなさまのお手伝い、とあります。
なので、「地域経済活性化」「雇用促進」がキーワードです。

利用者要件は6つに分類さますが、一般的な利用者要件としては主に以下4つで、
・事業展開関連 (新たに1名以上の雇用創出効果が見込まれる設備投資を行う方
・地方移転関連 (融資後1年以内に、本社を東京(23区)から地方に移転か店舗等を地方に新設か増設する方
・地方版総合戦略関連 (地方版総合戦略により、地方創生に資する事業として地方公共団体が認めた事業を行う方)
・地域未来投資促進法関連 (個別法に基づき都道府県知事の承認を受けた承認地域経済牽引事業計画に従って事業を行う方)

後者2つは要件が厳しい為、前者2つの要件を満たす方が対象となります。

融資用途については特別な要件は規定されていませんので、上記利用者要件に合致し、その為に使う事が事業計画に盛り込まれて入れば問題ないと言えるでしょう。

いずれにしましても、雇用を創出し得る設備投資本社を地方に移転店舗等を地方に新設する等の事業計画であれば、本融資の適用要件を満たす事になります。

企業活力強化資金の概要

次に
「企業活力強化貸付」に属する融資制度について説明します。

こちらの制度も「新企業育成貸付」と同様に
貸付限度額と融資期間に違いはありません。全て同じです。
貸付限度額は全て、7,200万円 (うち運転資金4,800万円)です。
融資期間は全て、設備資金 20年以内 <うち据置期間2年以内>
運転資金 7年以内  <うち据置期間2年以内>
です。

種類は8種類ありますが、創業期に適した融資制度であると思われる種類としてはその内、以下3種類が該当します。

・企業活力強化資金
・地域活性化・雇用促進資金
・ソーシャルビジネス支援資金

まずは
・企業活力強化資金

こちらの融資は公庫HPには合理化等のための設備投資を行う商業関連業種を営むみなさまのお手伝い
と記載されており、キーワードは「合理化」「設備投資」です。
つまり、事業計画上の「合理的」であると客観的に判断できる「設備投資」を行う計画の妥当性が求められます。

また利用対象者要件はいくつかありますが、創業期としての要件に合致する主なものは以下となります。
1:商業振興関連として以下いずれかの業種の事業を営む方

・卸売業
・小売業
・飲食サービス業
・サービス業

・不動産賃貸業(特別法に定める認定を受けた方に限る)

また融資用途としても以下の細かい要件があります。

必要な設備資金および運転資金

・合理化、共同化等を図るための設備の取得(店舗、仕入・配送・販売設備など幅広い用途に利用可)
・セルフ・サービス店の取得
・ショッピングセンターへの入居
・新分野への進出(中心市街地関連地域で事業を営む方に限る)
・販売促進、人材確保(運転資金のみ)
・空き店舗への入居
・地域商店街活性化法関連

不動産賃貸業は特殊なので例外として、
卸売業、小売業、飲食サービス業、サービス業を事業として営む方
且つ
上記に当てはまる用途要件に合致した、「合理的」であると客観的に判断できる「設備投資」を行う事業計画

を有している方

という事になります。やはりいずれにしても

適用者要件合致、用途要件合致、合理的設備投資を行う為の事業計画

がキーポイントとなります。

新企業育成貸付の概要

新企業育成貸付には5つの種類があります。
この融資は「創業期」に利用できる制度となります。

5つとも貸付限度額と融資期間に違いはありません。全て同じです。
貸付限度額は全て、7,200万円 (うち運転資金4,800万円)です。
融資期間は全て、設備資金 20年以内 <うち据置期間2年以内>
運転資金 7年以内  <うち据置期間2年以内>
です。

違いは、その用途です。

【種類と用途】
・新規開業資金
新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方

→「新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる方」に限ります。

・女性、若者/シニア起業家支援資金
女性または35歳未満か55歳以上の方であって、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方

→性別、年齢要件が要件になっています。

・再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)
廃業歴等のある方など一定の要件に該当する方で、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
1、廃業歴等を有する個人または廃業歴等を有する経営者が営む法人であること
2、廃業時の負債が新たな事業に影響を与えない程度に整理される見込み等であること
3、廃業の理由・事情がやむを得ないもの等であること

→要するに廃業経験があるが、再起に向けて見込みがあるかが要件となります。

・新事業活動促進資金
経営多角化、事業転換などにより、第二創業などを図る方
1、「経営革新計画」の承認を受けた方
2、「農商工等連携事業計画」の認定を受けた方
3、農林水産業支援サービス業を営む方であって、農商工等連携事業を行う方のうち、3年間で2%以上の付加価値額の伸び率が見込まれる方(注1)
4、「地域産業資源活用事業計画」の認定を受けた方
5、「地域産業資源活用支援事業計画」の認定を受けた方
6、「経営力向上計画」の認定を受けた方
7、中小企業等経営強化法に基づく中小企業等の経営強化に関する基本方針に定める新たな取り組みを行い、2年間で4%以上の付加価値額の伸び率が見込まれる方(注1)
8、技術・ノウハウ等に新規性がみられる方(注1)
上記1~8に該当しない方で、次のいずれかに該当する方
・新たに経営多角化・事業転換を図る方
・経営多角化・事業転換後おおむね5年以内の方

→要件が特定の事業に特化しそれが一定の期間の認定を受ける事が要件となります。

・中小企業経営力強化資金
外部専門家の指導や助言、または「中小企業の会計に関する基本要領」の適用などにより、経営力の強化を図る方
〇次の1または2に該当する方
1、次のすべてに該当する方
経営革新または異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む)を行おうとする方
自ら事業計画の策定を行い、中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導および助言を受けている方
2、次のすべてに該当する方
「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用している方または適用する予定である方
事業計画書を策定する方

→既存の中小企業で新たに市場開拓等の具体性のある事業計画を策定している事が要件です。

やはり創業期に利用できる融資制度であって、重要な要件に創業計画書と事業計画書の具体性が要件になりますので、事業計画書における事業概要の具体性、予算計画の具体性と妥当性等の要件が重要になってきますね。

一般貸付の概要

日本政策金融公庫の国民生活事業における「一般貸付」について説明します。

一般貸付とは、ほとんどの業種を対象とした融資制度として提供されています。

融資対象
ほとんどの業種の中小企業 (但し、金融業、投機的事業、一部の遊興娯楽業等の業種は対象外)
融資限度額
運転資金 4,800万円
設備資金 4,800万円
特定設備資金  7,200万円
返済期間
運転資金 5年以内 (特に必要な場合7年以内)<うち据置期間1年以内>
設備資金 10年以内 <うち据置期間2年以内>
特定設備資金  20年以内 <うち据置期間2年以内>
※据置期間とは、元金の返済が発生せず、利子のみ支払う期間のことです。
利率(年)
基準利率
※時期により変動する為、リンク先の情報を参照下さい。
担保・保証人
税務申告を2期以上行っている方は、担保を不要とする融資が可能。

一般貸付の融資概要としては上記の通りです。

特徴としては、融資対象が広く、融資金額も比較的高いのはメリットと言えますが、
金利が比較的高い事と、担保や保証人が求められる場合がある事はデメリットとなります。

その為、創業期に利用する融資としては比較的負担大きくなる為あまり向いてないと言えます。

日本政策金融公庫 「国民生活事業融資」の種類

今回は
日本政策金融公庫の国民生活事業「国民生活事業」の種類について解説していきたいと思います。

上記HPへ飛んでいただければ、全種類が一覧になっているのですが、非常に種類が多く、一体どれが利用できるのか非常に分かりづらいです。

なので今回は主に「創業期」(創業後1年以内含む)に利用可能な融資制度についてまとめていきたいと思います。

まず、「創業期」に利用できる主な融資制度は以下となります。

■一般貸付

一般貸付

■新企業育成貸付

新規開業資金
女性、若者/シニア起業家支援資金
再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)
新事業活動促進資金
中小企業経営力強化資金

■企業活力強化貸付

企業活力強化資金
地域活性化・雇用促進資金

■その他の融資制度

挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)
新創業融資制度
創業支援貸付利率特例制度

上記の通り、主な創業期に利用できる融資制度だけでもこれだけ存在しており、どの融資が利用できるのか非常に複雑になっているのが現状かと思います。

次回からは、これら創業期に利用できる融資制度の概要について1つづつ解説していきます。

日本政策金融公庫の融資の種類

日本政策金融公庫の種類について説明します。
大きく分類すると以下3大分類になります。

・国民生活事業
・中小企業事業
・農林水産事業

国民生活事業とは、
個人企業や小規模企業向けの小口資金の融資で融資額平均は約700万円となります。

中小企業事業とは、
中小企業向けの長期事業資金をご融資しており、融資額平均は約1億円となります。

農林水産事業とは、
農林漁業や国産農林水産物を取り扱う加工流通分野の長期事業資金となります。

新たに事業を始めたり創業期に利用する方であればほぼ国民生活事業融資を利用する事になるかと思います。
その中でも更に、創業に際して利用できる融資も複数の種類が存在しており一筋縄では理解し辛い状況になっているかと思います。

次回から、その複雑な融資制度について、まずは「創業期」に絞って利用可能な融資制度について、なるべく解かり易く述べて行こうかと思います。

ではまた。