特定技能制度の概要②


特定技能制度の概要をもう少し説明します。

特定技能制度には1号2号があります。

14種の産業分野の中で2号があるのは「建設」「造船舶用工業」のみで、その他は全て1号のみです。

1号は「特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格」

2号は「特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格」

です。

1号と2号のポイントは以下の通り。

【1号】

在留期間:1年、6ヶ月又は4か月ごとの更新、通算で上限5年

技術水準:試験で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等を免除)

日本語能力水準:生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)

家族の帯同:基本的に認めない

受入機関又は登録試験機関による支援の対象

【2号】

在留期間:3年、1年、6ヶ月ごとの更新、上限なし

技術水準:試験で確認

日本語能力水準:試験等の確認は不要

家族の帯同:要件を満たせば可能(配偶者、子)

受入機関又は登録試験機関による支援の対象外

 

次回は、特定産業分野14分野について詳しく解説していきます。

その後、特定技能外国人雇用について解説していきます。

 

特定技能制度の概要


特定技能制度は2019年に創設された新たな就労系在留資格です。

目的は日本の枯渇した労働力補填の為、一定水準の技術力日本語能力のある外国人を認定し、その能力にマッチした受け入れ機関での就労を許可するビザです。

これまで運用されてきた技能実習制度の悪しき慣習や問題点を改善し、新たに外国人及び日本の特定産業分野の問題点を解消する為に新設されたビザです。

日本での滞在許可期間は最大で5年(1号特定技能の場合)です。2号特定技能(建設と造船)は無期限です。更新は1年、6ヶ月、4か月のいずれか(1号特定技能)です。

特定技能ビザを取得するには、その分野に該当する試験に合格しなければなりません。試験は分野技能試験日本語(JLPT N4)試験があり、双方合格で認定されます。

その為、特定技能ビザ取得のために、その他の学歴要件は一切必要ありません。同じ就労系ビザである技術・人文知識・国際業務ビザのように大学卒や専門学校卒などの

学歴要件は必要ありません。国が定めた特定技能試験に合格する事のみが要件です。

学歴はないけど日本で働きたい外国人、労働力が枯渇しており即戦力がほしい企業、その双方のニッチなニーズに答える事が出来るビザとして、これからますます期待

されるビザと言えるでしょう。

特定技能の分野は14分野に分かれており、おの分野ごとに試験が実施されます。

14分野とは

介護・ビルクリーニング・素形材産業・産業機械製造業・電気電子情報関連産業・建設・造船舶用工業・自動車整備・航空・宿泊・農業・漁業・飲食料品製造業・外食業

に分かれます。

 

上陸許可基準適合性とは?


今回は「上陸許可基準適合性」について話します。

上陸許可基準適合性??なんだそれはと思うかもしれませんが、この要件は、在留資格の変更及び在留期間の更新許可の際には原則必須の要件となります。

まずは杓子定規に説明するとすると、法務省令に定める上陸許可基準は、外国人が日本に入国する際の上陸審査の基準ですが、入管法別表第1の2の表又は4の表に掲げる在留資格の下欄に掲げる活動を行おうとする者は、在留資格変更及び在留期間更新に当たっても、原則として上陸許可基準に適合していることが求められます。

上陸許可基準も、個々の在留資格毎に要件が違う為、個々の資格毎の適合性を把握し、適宜合致するか判断しなければなりません。
具体的に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の場合には、上陸許可基準適合性として以下の要件を満たす必要があります。

原則として法務省令で定める上陸許可基準に適合していること
ア : 従事しようとする業務に必要な技術又は知識に係る科目を専攻して卒業していること。

これはわかりやすいですが、雇用契約を交わし従事する会社の業務と、自身の学歴が合致している事が必要であるという事です。つまり、従事しようとする業務に必要な技術又は知識に係る科目を専攻していることが必要であり、そのためには、大学・専修学校(専門学校)において専攻した科目と従事しようとする業務が関連していることが必要という事です。

言葉にすると簡単ですが、実はこの「関連性」の具体例は多種多様にわたる為、個々に検討が必要になります。

イ : 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等以上の報酬を受ける事。

これは読んで字のごとくで、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等以上の報酬を受ける事が必要です。また、報酬とは、「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」をいい、通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するものは含まれません。

在留資格該当性要件

今回は在留資格該当性要件について解説していきます。

在留資格該当性は、許可する際に必ず必要な要件となります。

在留資格該当性とは何か。

一言で言うと、
申請人である外国人が、本邦で行おうとする活動が、入管法別表第一に掲げる在留資格については同表の下欄に掲げる活動。
入管法別表第二に掲げる在留資格については同表下欄に掲げる身分又は地位を有する者としての活動であること。

となります。

これでは非常に漠然としていますよね。
一言で言うとこうなるのですが、結局その具体的な要件となると、個々の在留資格毎に異なってくるので、在留資格毎にその要件を押さえていく必要があります。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を例に、もう少し掘り下げます。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の場合には、在留資格該当性要件として以下の要件を満たす必要があります。

(1)行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当する事。
ア : 本邦の公使の機関との契約に基づくものであること。
イ : 自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を要する業務に従事する活動であること。

上記が、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格における、在留資格該当性の要件となります。

しかし、この文面でもまだ漠然としていますよね。契約といっても何の契約が該当するのか、委託契約はどうなるのか?自然科学、人文科学の分野に属する技術や知識とはいったいどういったものが該当するのか、などの解釈です。

今回は在留資格該当性とは、どういった要件なのか、という大きな意味での概念を説明しましたので、次回その解釈について説明していきたいと思います。

在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドラインについて

今回は「在留資格変更」「在留期間更新」の許可に関するガイドラインについて解説してみたいと思います。

これは、ほぼ全ての変更申請、更新申請を行う時に、入管が判断の根拠となるガイドラインなので広範な事例に適用される内容となる、非常に重要なポイントです。

まず

在留資格変更、在留期間更新は、出入国管理及び難民認定法(入管法)によって、法務大臣が適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可する事とされています。
この「相当と認めるに足りるか否か」の判断は、専ら、法務大臣の自由な裁量に委ねられ、申請者の行おうとする活動、在留状況、在留の必要性等を総合的に勘案し行われているところ、この判断に当たり、どのような事項を考慮して判断されるのか、が重要です。

その考慮事項は大きく分けて3つに分類されます。

まず1つ目は「在留資格該当性」
2つ目は「上陸許可基準適合性」
3つ目は「狭義の相当性」

の3つです。

ただし、この3つにも考慮要件の度合が多少違ってきます。

まず「在留資格該当性」については、許可する際に必要な必須条件となります。
「上陸許可基準適合性」については、原則として適合していることが求められます。
「狭義の相当性」については、適当と認める相当の理由があるか否かの判断に当たっての代表的な考慮要素となります。

つまり、上記の3つ全て該当する場合であっても、全ての事情を総合的に考慮した結果、変更又は更新を許可しないこともあり得る事に留意する必要があります。

次回からこの3つの重要な考慮事項について詳しく解説していきたいと思います。

在留資格「高度専門職」の優遇制度について

今回は、在留資格「高度専門職」の主な優遇制度について詳しく説明します。

「高度専門職」にだけ許される特別な優遇制度です。

〇在留歴に係る永住許可要件の緩和について

・永住許可を受けるには、原則引き続き10年間以上日本に在留していることが必要であるが、高度専門職省令に
規定するポイント計算を行った場合に、70点以上のポイントを有している者であって、次のいずれにも
該当する者。
ア: 「高度人材外国人」として3年以上継続して本邦に在留していること。
イ: 3年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定
ポイント計算を行った場合に、70点以上のポイントを有していたことが認められる事。

・高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に、80点以上のポイントを有している者であって、次のいずれかに
該当するもの。
ア: 「高度人材外国人」として1年以上継続して本邦に在留している事。
イ: 1年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定する
ポイント計算を行った場合に80点以上のポイントを有している事が認められる事。

〇一定条件下での親の帯同許容について

・現行制度では就労目的の在留資格での親の受入は原則認められない。だが、以下(1)、(2)のいずれかに該当する場合には
以下の要件を満たせば、高度人材外国人又はその配偶者の親(養親を含む)の入国、在留が認められる。
(1)高度人材外国人又はその配偶者の7歳未満の子(養子を含む)を養育する場合
(2)高度人材外国人の妊娠中の配偶者又は妊娠中の高度人材外国人本人の介助等を行う場合

※親の帯同が認められるための要件
①高度人材外国人の世帯年収(高度人材外国人本人とその配偶者の年収を合算したもの)が800万以上であること
②高度人材外国人と同居すること
③高度人材外国人又はその配偶者のどちらかの親に限ること

〇一定条件かでの家事使用人の帯同の許容について

・外国人の家事使用人の雇用は、在留資格「経営・管理」、「法律・会計業務」等で在留する一部の外国人に対して
のみ認められるところ、高度人材外国人については、以下の要件を満たせば、外国人の家事使用人に帯同する
ことが認められる。

※家事使用人の帯同が許容されるための要件
①外国で雇用していた家事使用人を引き続き雇用する場合の条件(入国帯同型)
・高度人材外国人の世帯収入が1,000万円以上あること
・帯同できる家事使用人は1名
・家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること
・高度人材外国人と共に本邦へ入国する場合は、帯同する家事使用人が本邦入国前に1年以上当該高度人材
外国人に雇用されていた者であること。
・高度人材外国人が先に本邦に入国する場合は、帯同する家事使用人が本邦入国前に1年以上当該高度人材
外国人が本邦入国後、引き続き当該高度人材外国人又は当該高度人材外国人が本邦入国前に同居していた
親族に雇用されているものであること。
・高度人材外国人が本邦から出国する場合、共に出国することが予定されていること。

② ①以外の家事使用人を雇用する場合(家庭事情型)
・高度人材外国人の世帯収入が1,000万円以上あること
・帯同できる家事使用人は1名
・家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること
・家庭の事情(申請の時点において、13歳未満の子又は病気等により日常の家事に従事することができない
配偶者を有すること)が存在すること

各在留資格の概要①

各在留資格にはどんな種類があるのかザっと概要を説明していきます。
まずは、法別表第一の在留資格の「外交」から「高度専門職」まで。

■法別表第一の在留資格

●「外交」 : 外国政府の大使、公使、総領事、代表団構成員等及びその家族

●「公用」 : 大使館、領事館の職員、国際機関等から公の用務で派遣される者等及びその家族

●「教授」 : 大学教授等 (「教育」とは違う)

●「芸術」 : 作曲家、画家、著述家など (「興行」とは違う)

●「宗教」 : 外国の宗教団体から派遣される宣教師等

●「報道」 : 外国の報道機関の記者、カメラマン、(日本の報道機関で働く場合は該当しない。)

●「高度専門職(1号)、(2号)」: 高度専門職の項の下欄の基準を定める省令(高度専門職省令)・・・ポイント制
(上陸基準省令1号イ)
法別表第一の一の「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」の活動のいずれかに該当する事。

(上陸基準省令1号ロ)
法別表第一の二の「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」
「企業内転勤」、「介護」、「興行」、「技能」の活動のいずれかに該当し、かつ、当該在留資格の基準省令に適合する事。

(上陸基準省令2号)
我が国の産業及び国民生活に与える影響等の観点から相当でないと認める場合でないこと。

※在留資格「高度専門職」の主な優遇制度

〇在留歴に係る永住許可要件の緩和について

・永住許可を受けるには、原則引き続き10年間以上日本に在留していることが必要であるが、高度専門職省令に
規定するポイント計算を行った場合に、70点以上のポイントを有している者であって、次のいずれにも該当する者。
ア: 「高度人材外国人」として3年以上継続して本邦に在留していること。
イ: 3年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定
ポイント計算を行った場合に、70点以上のポイントを有していたことが認められる事。

・高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に、80点以上のポイントを有している者であって、次のいずれかに該当するもの。
ア: 「高度人材外国人」として1年以上継続して本邦に在留している事。
イ: 1年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定する
ポイント計算を行った場合に80点以上のポイントを有している事が認められる事。

高度専門職に関しては、まだまだ詳細な規定・要件が存在する為、別の機会を設けて詳細に説明する事にします。

在留資格 と 在留期間

在留資格の種類と在留期間の関係について説明します。

在留資格とは、出入国管理及び難民認定法第2条の2に定義されていますが、ここではその説明はしません。
ここではその在留資格の種類とその期間の関係について説明します。

まず「在留資格」は以下の種類に分類される。

■法別表第一の在留資格

・別表第一の一
「外交」、「公用」、「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」

・別表第一の二
「高度専門職」、「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「介護」、「興行」、「技能」、「特定技能」、「技能実習」

・別表第一の三 ・・・ 就労できない活動資格
「文化活動」、「短期滞在」

・別表第一の四 ・・・ 就労できない活動資格
「留学」、「研修」、「家族滞在」

・別表第一の五 ・・・ 法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動
「特定活動」 (一部就労可能な活動を含む)

■法別表第二の在留資格 ・・・ 活動に制限なし
「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」

cf 「特別永住者」
「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関わる特例法」(入管特例法)により定められた者

次に「在留期間」は以下の種類が存在する。

在留資格に応じて ・・・ 15日、30日、90日、3月、4月、6月、1年、1年3月、2年、2年3月、3年、3年3月、4年、4年3月、5年

「外交」 ・・・ 外交活動を行う期間
「技能実習1号」 ・・・ 1年を超えない範囲で法務大臣が個々に指定する期間
「技能実習2号」 ・・・ 2年を超えない範囲で法務大臣が個々に指定する期間
「特定活動」 ・・・ 3月、6月、1年、3年
5年を超えない範囲で法務大臣が個々に指定する期間
「定住者」 ・・・ 6月、1年、3年、5年
5年を超えない範囲で法務大臣が個々に指定する期間

創業時の資金調達方法について①

創業時における資金調達の方法について説明します。

まずは
・自己資金
これは明確です。ご自身で創業前に計画的に、コツコツと資金を貯めていく方法です。
創業時に金融機関及び政府系金融機関等から融資を受けたい場合は、この自己資金が非常に重要になってきます。
自己資金が多ければ多いほど、金融機関からの評価は高くなり、融資が通る可能性が高くなります。
また、評価の内容として、貯め方も見られます。コツコツと計画的に創業に向けて準備してきたかどうかという観点が非常に重要である為、銀行の通帳でその履歴が分かる事が望ましいです。

・融資
これも明確ですが、金融機関からお金を借りる方法です。
金融機関には2通りあり、政府系金融機関と民間金融機関です。
政府系金融機関は日本政策金融公庫(JFC) です。
民間の金融機関はいわゆる都市銀行、地方銀行です。
融資は返済を伴う為、要件が厳しいものになりますが、比較的日本政策金融公庫の創業融資は利用しやすいです。

続きは次のブログにて、、、

新型コロナウイルス感染症特別貸付について

今回は新型コロナウイルス感染症特別貸付について説明します。

新型コロナ感染症特別貸付とは
要するに
新型コロナウイルス感染症の影響で、事業の収支が減少し、影響を受けた事業者等を救済する為の融資ですが
その適用条件は簡単ではありません。

本融資を受ける事は出来る適用条件は
起業済事業者と起業して間もない事業者で適用条件が多少違ってきます。

まず、起業済事業者の場合、
最近1ヵ月間等の売上高または過去6ヵ月(最近1ヵ月を含む。)の平均売上高
前3年のいずれかの年の同期に比し5%以上減少していることまたはこれと同様の状況にあること
中長期的にみて、業況が回復し、かつ、発展することが見込まれること。

とあります。

また、起業して間もない事業者の場合(業歴が3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等)は、
最近1ヵ月間等の売上高または過去6ヵ月(最近1ヵ月を含む。)の平均売上高(業歴6ヵ月未満の場合は、開業から最近1ヵ月までの平均売上高)が、次のいずれか(※)と比較して5%以上減少していることをいいます。
① 過去3ヵ月(最近1ヵ月を含む。)の平均売上高
② 令和元年12月の売上高
③ 令和元年10月~12月の平均売上高

起業済の場合は、一律で計算し、その証明となる売上帳簿等があればよいですが
起業して間もない場合は、売上が立っていて、且つ、上記のような条件が必要となり、適用となるか否かは最終的には
担当官との面談にて判断される事になる為、事前に十分に周到な準備と公庫への確認を行う事をおすすめします。